ワークショップレポート
「電気工事業における女性活躍推進」
いまなぜ、女性活躍推進が求められているのか
〜経営者、管理者、そして現場に求められているもの〜
2019.1.25 静岡県男女共同参画センター
13:30 - 16:00 「あざれあ」5階 第3会議室

電気工事業界において現場で活躍する
女性技術者がみられるようになってきています。
女性の感性ならではの細やかな作業、
お客様に与える印象の良さなど、
これまで以上に女性活躍が望まれています。
そこで、実際に私たちの業界で
働く女性電気工事従事者と意見を交わし、
女性がさらに活躍できる環境を整備してゆきたい。
それにより、いま頑張っている女性の元気力を
電気工事業界に浸透させることで
業界の活性化の起爆剤とし、
女性の入職者が増える環境を創り出し、
ひいては電気工事業界全体のイメージアップにも
つなげていきたいと考えています。

静岡県電気工事工業組合
時 間 内 容 担 当
司会:県工組青年部副会長/鳥羽哲次氏
13:30 - 13:32 開会あいさつ 県工組理事長/松田良克氏
13:33 - 13:38 祝辞 静岡県電設資材卸業協同組合
副理事長/菊井信之氏

㈱静岡県電気工事協力会社長/松本高明氏
13:40 - 13:48 映像講習
「いまなぜ建設業において女性活躍推進が求められるのか〜建設産業女性活躍セミナー全国大会in TOKYO March 1st,2018」
国土交通省 青木建設流通政策審議官
あいさつ
13:50 - 14:30 基調講演
「“女性力”で業界に構造改革を起こす」
(有)ゼムケンサービス 代表取締役
籠田淳子氏
14:40 - 15:40 パネルディスカッション
「働く場を知り、見直し、そしてキラキラするために」
(株)光電気工事 望月由紀江氏
(株)ウエヤマ電設工業 植山藤枝氏
(有)モンヤ電気 石黒加奈氏
(株)北都電気 小栗啓枝氏
南榛原電気工事協同組合 大石玲子氏
浜松電気工事協同組合 村松由承子氏
大王電機(株)専務取締役 磯谷洋之氏
コーデネータ:籠田淳子氏
15:40 - 15:45 アンケート回収 参加者
15:45 15:52 総括 県工組青年部会長/西野浩史氏
15:53 16:00 閉会のあいさつ 県工組副理事長/長谷川吉昭氏

基調講演講師、コーディネーター/パネリスト紹介

(有)ゼムケンサービス代表取締役 籠田 淳子
基調講演講師・コーディネーター

父が営む工務店で、幼少期から多くの職人さんたちと付き合ってきた。一級建築士、インテリアプランナーなど、多くの資格を保有。
男性が多数を占める建設業界で弱みとされてきた女性をワークライフバランスとワークシェアリングを経営戦略とすることで「強み」へと転換させた。
その「女性活躍」の人財育成ノウハウと女性力研究の積み重ねにより、「豊かな暮らし」「家族の幸せ」を実現させる建設産業にしていきたいと、子どもたちの未来をつくる「男女共創建設業」にチャレンジし続けている。

平成28年
(公財)日本生産性本部
「第9回ワークライフバランス大賞」奨励賞
平成27年
内閣府第1回「女性が輝く先進企業表彰」特命担当大臣表彰
平成26年
ダイバーシティ経営企業100選
平成25年
内閣府女性のチャレンジ賞
平成23年
北九州市ワークライフバランス市長賞(企業)
平成21年
北九州市ワークライフバランス市長賞(個人)

(株)光電気工事 望月 由紀江
パネリスト

 静岡市内にあります50年続いている小さな会社に嫁いでまいりました。最初は経理を中心に事務をやっておりましたが、少し時間を持て余してしまい、何かやっていなければならない雰囲気だったこともあり、勉強しました。電気工事士等の資格を取って、現場管理として現場に出ることもありました。今は、経理事務や施工管理など、広く仕事に携わらせていただいております。
 現場は女性にとって大変だと思うことが多くありました。
 公共工事の現場代理人をやっている時、産後1か月で現場の検査に立会いました。お腹に子どもがいる間も現場は進んでいて、何かと大変な思いをしました。妊娠中などに、女性が現場に出るということ、ましてや出産も経験するなかで仕事をするのは大変だと思っております。

(株)ウエヤマ電設工業 植山 藤枝
パネリスト

 主人の母親と主人と私の3人で家族経営をやっている小さな会社です。私はこの仕事をやる前は食品会社の社員食堂で調理のほうをしておりました。
 子どもが10歳と15歳の時に社員食堂を辞めてから、主人が経営していた電気工事の会社のほうで一緒に働くことになりました。
 ほとんど毎日、新築の住宅が現場です。
 まったく職種も違ったので、慣れるまで大変でしたが、職人さんが人当りのいい人が多く、現場内で打ち解けるまでにそう時間はかかりませんでした。
 免許はなにも持っていないけれども、女性目線で細かな配慮を心がけて、毎日頑張っています。

(有)モンヤ電気 石黒 加奈
パネリスト

 私は、父が電気工事やっていまして、電気屋の娘です。でも父からは特に「電気工事をやれ」と言われてきたわけでもないので大学に進んだのですが、夢がかなわず、母も大変そうだったので、ちょっと手伝えれば助かるかなあと思って、事務の仕事をやろう思って父の会社に入った。
 父が「事務やるなら、電気工事というのはいろんな道具とか材料とかがある。パソコンのキーボードを打つ前に覚えることはたくさんある」ということで、いきなり初日から現場でした。最初は服がないので、普通のトレーナーにデニム。それにエプロンをしていった。女性用の作業着がなかったのです。
 毎日がほぼ現場なので、男性用の作業着を着るようになって、いまに至っている。
 当初は興味もなかったのですが、実際に現場に出てみると、モノづくりってすごく楽しい、自分が第一線で父の役に立てることが嬉しい、まわりの職人さんもすごく可愛がってくださるといういい環境にいたので、ずっとやって来られたと思う。現場に出ながらも、人数が少ないのでパソコン仕事をするのは自分だけでした。
 子どもを3人産んだのですが、産休はなかった。
 最初の子どもを産んでまだ2か月で、首も座らない頃に、書類をもって中部電力さんまで車で走って行った。子どもは途中で泣きますよね、こっちなんか焦りながら、中電に行って、そして子どものお腹が空いたタイミングで隠れて授乳したということもありました。
 子どもがいると仕事に集中できなかったけれど、子どもを外に預けることもしたくなかった。でも仕事をやらないと家業が回らないので、育児と仕事との葛藤がありました。
 で、最近、子どもが大きくなって、やっと自分がやりたいような形になってきた。
 そんな中で、昨年、電気工事の技能競技大会に出てみないかというお話をいただいて、第3回電気工事技能競技全国大会に出場させていただいた。いいチャンス、いいスタートが切れるような気がした。
 おかげさまで、出場して、自分にさらに自信がついた。女性ってもっと活躍してもいいのだなあと実感できた。
 と同時に、せっかく出場したという経験を生かしていかなければいけない。
 次に続く女性を応援する側に回っていかなければならないし、前に出ていかなければならないという使命感があります。
 でも、いま女性が現場で働きやすいかといえばそうではない。
 女性でも第一線ではなくても、できることはたくさんある。そこをうまく見つけだして大きく活用していただければ、すごくいい仕事ができると思う。
 今着ている作業服はレディースなのですけど、これも最近やっと出だしたものです。こういうのを着ると自分もテンションが上がるので、ほかの女性にも着ていただきたいと思うし、それにより現場が活気付く。
 このようにいろんな面を少しずつでも変えていけば、皆さんの意識も変わっていく。自分なりの役に立つことがあればどんどん積極的に活動していきたいという気持ちはあります。

(株)北都電気 小栗 啓枝
パネリスト

 私は家業が電気工事業だったので幼いころから親の仕事を見てきたのですが、汚れた父の作業服、休みが少なく朝から晩までの仕事、幼いながら「これは男子の仕事だね」と思っていました。
 学生時代も私は電気に全く興味なく、普通科を卒業して、違う分野で働いて過ごしてきました。が、ある時、うちで人員が欲しくなり、父を応援する形で入社しました。
 「これは最高の親孝行なんだぞ!」と思いました。
 初めは現場と違って、いままでの室内でのデスクワークとは違い解放感がありました。現場毎で仕事内容が違い、ワクワク新鮮でした。色々な職人さんと出会い、お話が聴けて楽しかった。
 でも、現場へ出ても無資格な私はお手伝いレベル。あれ持ってこい、これ切っとけと指示待ち。
 親方は「資格を取らなければやらせないよ。」と参考書を買ってくれました。
 久しぶりに机に向かいました。ど素人が一から勉強でした。「プラス?え?マイナス?え?」からです。
 その後、無事に資格をとり、親方と地元の浜松の田舎でコツコツ頑張っています。
 現場17年、まだ初めて知ることも多い毎日です。毎回違う現場で、違った内容のお仕事だから楽しい。それがまた難しいのですが・・・。
 現場へ出向けば、月に何回か、「女性でもやるんだね!」と声をかけられます。
 内心では「力仕事はできないこともいっぱいありまーす!」と思っています。そこは笑顔で対応します。
 お客様からの「あかりついたよ。ありがとうね~。」という声が私を笑顔にさせてくれます。
 男世界だったこの仕事は、はっきり言って女性には体力的に限界があるのは事実。講習会に参加すれば本当に目立ち、恥ずかしい。
 でも何事もまずやる気だと思いました。いつも「やるしかない!」と自身に呪文を唱えます。
 興味を持てば更に効率のいい仕事がキレイに仕上げられる。自負できる。笑顔でいられる。
 現場に出ている女性の皆さんも同じだと思います。一人でも多くの女性が現場に増えることを願っていると思います。
 ただ、体力の差があるため、男女の一日の仕事量を比べれば劣る。電動圧着工具や発電機、高所作業車等を上手く使用し、男女ペアとなって仕事へ出るとお互いの得意分野を生かせて、お互いに頼ることで信頼が生まれ、良い関係で作業に就けるかと思います。

これからは、
● 若い女性に「電気業界は女性でもできるよ、毎日体力勝負だけれど楽しいよ」って興味もってもらえるように広告、宣伝、講演会でPRする。
● 高等学校の進路指導担当者には、「女性でもこんな職場がある」と生徒へ紹介してもらう。
● 会社は、今までの考えを改め、女性を受け入れ働ける職場に努める。
● 「私、安心して現場へ行けるよ!」って気持ちになれる環境づくりが大切だと思います。

 確かに力仕事の多い現場では、男性従業員を雇うほうが仕事はこなせる。女性を雇うメリットは少ない。私も経営者なら間違いなく男性を雇う。
 ただ、行政から補助が出るなど、なにかしらメリットがあれば女性を雇うと思う。行政はこうした女性を積極的に雇う会社を支援してほしい。
 そういった中でやっと女性が働ける窓口が大きくできると思います。
 “電気業界は女性でもいける!”を勝手にモットーにしていろんな方の思考を改め、協力があって実現できる大きな課題だと思います。
 私は現場にもっと女性が増え、作業着カタログの半分が女性モノになるのが楽しみです。

南榛原電気工事協同組合 大石 玲子
パネリスト

 南榛原の協同組合の事務員を17年ほどやっております。
 私が最初に就職した時代は、算盤ができて簿記ができる、それだけ持っていれば女子は十分だという時代でした。いまから何十年も前です。
 子育てが終わって協同組合に就職するにあたって、パソコンが普及し始めていました。初めて出社した時、机の上にはパソコンの箱が置いてあった。
 使ったことがなければ、触ったこともない。でもここで働く以上覚えなきゃいけない。
 南榛原では訊く人も相談できる人もいなくて、それこそ独学で本を買ってきてパソコンを勉強したのを覚えています。
 いま思うことは、そういった状況を経て今があるということ。根気よくやればこの私でもできないことはないという自信を持てるようになりました。
 就職当初は電気のことはわからない、資格がないということでなかなか名前さえも呼んでもらえなかった。
 でも泣いても何にも始まらない。この状況を変えていくのは自分しかない、と。
 私はこのとおり決して若くはありません。私が若くてきれいな事務員さんだったら、決して言われることはないだろうなと思うこともたくさんいただいております。
 「やい、テメエ、馬鹿野郎!」こんなことは当たり前です。「おはよう、こんにちは、というあいさつと同じだ!それぐらいがわかんねえのか!馬鹿ったぁ!」そんなことを言われて育ってきました。
 「男性組合員の中で快く働いてゆくためには、そんなことをいちいち気にしていたら、何にもならない」と自分に言い聞かせてきました。と同時に、「泣いても何も始まらない。この状況を変えていくのは自分しかいない」と。本当にずいぶん心を強くしていただいたことを感謝しております。
 「大石さん」という名前すら呼んでもらえないこともあった。でも、どんな状況でもやっぱり、「はい」と返事をすることが、事務員の私の役目だと思っています。
 先日も組合の新年会があったのですが、一人ぎりぎりの時間帯に現れた男性がおりました。「なんだ、もう始まっているのか。途中からじゃあ悪いから、俺はこのまま帰るわ」と言ったときに、「いえいえ、〇〇さん帰らないで。あなたが来るのをみんな待っていますから、一緒に入りましょう」と言って、連れて行ったんです。
 「事務員の私がいて、いいことできているのかなあ」とうれしくなった瞬間でした。
 年寄りの事務員でもできることをやっていかなければならないと思っております。
 役員さんは組合員とのコミュニケーション、レクリエーションを図ろうと一生懸命になっていることを事務員の私は肌で感じております。
 そういうなかでソフトの面で、役員さんができない部分を私は補っていこうと思っております。
 私には大切な趣味があります。YOSAKOIという趣味です。
 50人くらいで全国のあちこちに踊りに回っています。私にはそういう生きがい、大きな夢があるので、仕事でどんなことがあっても頑張って行こうと思っています。
 仕事も趣味も同じ。やりがいがあること、生きがいを見つけて、続けていこうとする気持ち、継続は力なりと、最近は自分でもそう思っております。
 自分で考えてきたことも、注意されたことも無駄ではないと思って、これからも頑張っていきたい。

浜松電気工事協同組合 村松 由承子
パネリスト

 電気工事業者215社の組合員さんの事務局の事務をしています。7年目になります。卒業後は損害保険会社の事務や、栄養士など女性が比較的多い職場しか経験がなかったので、ここは男性中心な業界だなあと当初感じました。
 今回ワークショップ参加にあたって事務局の私の体験だけでは心もとないと思ったので、浜松の組合で電気工事士資格を持つ女性の方々10人にご協力いただいたアンケートをまとめてきました。現場、設計、事務、また、経営者、経営者の奥さん、お嬢さん、
従業員さんなど、業種も立場もさまざまな方からの生の声なので、本日のパネリストの皆さんのご意見にも共感、補足発表できるものもあろうかと思います。
 私自身の感覚で言うと、この7年間でも、変化がありました。まず女性の資格講習会参加者が増えました。また、まだ採用はしていないけれど女性を採用したい、と考えている経営者の方の声を聞くようになりました。青年部の方々からは「女性が現場に入ることで、男性も意識して身綺麗になり、結果、お客様対応で好感を持たれ、営業面で良くなった」など、女性が業界、現場に入ることに好意的になっていると感じます。
 こんなこともありました。組合窓口にいらした現場の職長さんから「うちの会社も現場女性を採用したことがあって、もう辞めちゃったけれど、今思うともっと何かしてあげられなかったのかと後悔している・・・」というお話を聴きました。数年で退職され、経営者の方は失敗だったと複雑なお気持ちかもしれませんが、採用を試みてくれたお陰で、男性従業員の方に、現場の女性に対する思いやりや気付きが広がっているなあと感じ、ちょっと嬉しく温かい気持ちになりました。今後どこかの現場で頑張っている女性に対し、心の中で温かく応援してくれる男性が増えていくと、現場女性にとって心強いことかと思います。
 また、私は物品販売や斡旋事務も担当しておりますが、経営者の奥さんが受領にみえたことがありました。その際、組合開催の講習会に参加された従業員さんの話をしたところ「〇〇君はシャイだけどちゃんと挨拶できたかしら。△△君はこんな性格でこうなのよ」と得手不得手含め大勢の従業員さんの性格を把握されていることに驚きました。
 と同時に、その奥様のお言葉に、従業員さんへの母性を感じました。人材育成の点でも女性だからこそ、子育てのように見守り、育てる、そうした方がいらっしゃる会社は、きっと将来伸びていくのだろうなあと感じました。
 そう思うと、たとえ資格を持っていない経理や総務の方でも、女性が職場で楽しそうにキラキラ輝いていれば、更に良い人材の男性も入ってくるのではないでしょうか。女性が働きやすいだけでなく、男性にとっても働きやすい職場で、男性もイキイキしていれば、そのような業界、会社で働いている男性に嫁いでもいいなとなり、昨今の深刻な後継者不足の問題解消の一端にも繋がるのかなと思います。
 また、今いる事務の方が「電気工事って、現場って面白そうだから、勉強して資格を取ってみようかなあ」と奮起して資格者になってくれれば、社内の人間関係も既に構築されているわけですし、新規で技術者を採用するより会社にとってもメリットがあるのではと思います。

大王電機(株) 専務取締役
静岡県電気工事工業組合青年部 副会長
磯谷 洋之
パネリスト

 黒一点の磯谷です。父が社長をしており小さい頃から会社に遊びに行っていましたが、学生の頃の自分は、電気屋になろうとは思っていなかった。
 臨床工学士というコメディカルの資格を取得し、医療機関(クリニック)へ勤めていました。クリニックには女性が多いのですよね、看護師さんとか看護助手さんだとか。女性上位の環境でしたので、自分の中では「女性は仕事ができる、すごい!」というイメージが強くある。
 それから父に「来ないか」と呼ばれて、今の会社に就職し9年半、電気工事業の経験年数は14年半です。
 電気屋は男の仕事だ!現場での力仕事は男でなくては!電柱に登るのは女性には無理だ!という話をよく聴きますが、自分は過去のクリニックでの経験もあるので、体力面を除けば男性にできて女性にできない仕事はないと思います。

 私の個人的なイメージですが、インターンシップで来てもらう高校生を見ていると、男性よりも女性のほうがガッツがあり、いろんなことを訊いてくる。
 現場に入ってたった3日間のインターンシップなのに「ここはどうなのですか、どうしてこうなるのですか」という質問をたくさんしてくる。やっぱりすごいなあと感じます。女性は自分がやりたい職業に対しての気持ちが強くて、「それって、いいなあ」と憧れます。
 弊社にも昨年、高校卒業し入社した女性社員がいます。
 半年になるのですけれど、日々現場で活躍しています。
 現場で失敗し先輩から叱責されても、「自分は電気の仕事好きなので」と心折れず頑張っている姿は本当に格好良くて、採用してよかったなあと感じています。
 電気工事店でも女性経営者が活躍している時代です。男性の経営者の「女性だからできない」という考えはもう古い。
 女性だからこそ、会社を明るく元気にしていく力があります。女性ならではのセンス、気配り、コミュニケーション能力、根性、そして女性の笑顔は男性には真似できません。
 青年部のイベントでも女性の方が来てくれたら、青年部の活動で女性らしい考えからの活動ができると思う。
 やってみなければわからない。しかし、雇用する前から、「女性はダメだ」という考え方ではなくて、「まず雇ってみよう」、「頑張ってもらおう」、「頑張ってくれる人がいるから入ってもらおう」、「興味を持って頑張ろうという女性がいれば、その女性が育ちやすい環境を作っていこう」という意識が大切です。
 ちなみに、弊社は現時点で社員が13名おりますが、そのうち女性が5名です。比較的女性が多いと思っていますが、女性にもっともっと頑張ってもらって、改革していきたい。今後も女性社員を増やしていく予定です。

パネルディスカッション ~定着、続けていくために~

情報発信

 国土交通省の課題に、建設省のイメージづくりのために、女性がどんどん業界の本当のことを話していこうという流れがある。
 この業界、現場のことを女性がいかに正しく伝えることができるか。そこにかかっている。まさに、現場の仮囲いと同じように、現場のことがまだまだ外に伝わっていないのが現状ですから。
 パネラー、今日お集りの皆さんがご自身の体験を外に発信していただければいいのではないか。

 今日のような機会がもう少し増えて、いろんなところでいろんな形で、電気の業界が盛り上がっていければいいなかと思っています。

 今日はここに出させていただいて、私だけではなく他にも女性で活躍している方の悩みとかを直に聴けてとても嬉しかったです。
 帰って作業着をまた観たいと思います。

 私がもう少し若かったら本当にこの建設業をやってみたかったなあって。資格を取ってやったら、どれだけ楽しい人生なのだろうかなって。
 皆さんがおっしゃっていたことを人に伝えて、背中を押していくことしかできないけれど、私なりに頑張っていきたい。

 この機会があったことで、自分を見つめなおし、また組合の女性電気工事士の方々やパネリストの方々、いろんな方と話をさせていただいて、事務局としても自分自身も見方や考え方が広がりました。いい機会を与えていただいて感謝しています。
 女性電気工事士さんの皆さんは本当に頑張り屋さんで、しかも皆さん綺麗な方ばかり!!
 見た目だけではないですが、やっぱり綺麗でないと華やかにならないです(笑)。
 以前「電気と工事」という電気系全国雑誌に浜松の青年部の男性が「電工男子」としてゆるキャラの家康くんと一緒に表紙を飾ったことがあります。雑誌までは作れないかもしれませんが、「電工女子静岡版」みたいな感じで、顔写真入りのチラシか冊子を作り、小学生や中学生、高校生、大学生や業界外にもPRする材料のひとつになればいいなあと思っています。せっかくこんなに綺麗な方たちが(パネリストの方々を見つめて)いらっしゃるので…、皆さんどうでしょうか?ご提案です。

 自社の経営にとって、この業界にとって思っていることを発言し、そして行動していくリーダーシップが大事だと思います。

定着、続けていく工夫

 イメージを良くして入職していただくこと(採用)と定着、この「採用」と「定着」という2つの言葉のどちらが大事ということはない。
 でも、定着できなければ、「この業界は、いいよ!」とは言えない。
 これは女性がよく言うことです。「続けていける、定着できる、一生の仕事になる」ということを腹の底から思って話をしなければ、「入っておいでよ!」とは言えない。
 そこで、伺いますが、定着に関しての皆さんの中でのキーワードは何でしょうか。
 ひとつは「好きこそ、ものの上手なれ」ということで、電気が好き、現場が好き、職人が好き、カッコいい等。
 好きなことはあきらめずに続けることができるので、その好きなことにチャレンジできるようなキーワード。
 「女だから現場のここから上には昇ってはいけない」とか、「この道具は使っちゃいけん」とか、「この研修には女は行く必要がない」とかいうのではなくて、「好きをどんどん伸ばしていける」ことがすごく大事だなあと思う。
 「定着、続けていく工夫」についていかがでしょうか。

辞めないこと、
辞めさせないことだと思います。

 辞めない。辞められないも含めて、なぜ辞められないのか?
 「好きな夫が苦しむ姿を見ていられない」とか。

経済的に

 わたくし事なのですが、父が亡くなって10年間は母が経理していた。そして母が亡くなり、その3年後に主人が42歳で亡くなった。母子家庭になった時、子どもが小学校6年生でした。
 わが社も創業家なので、それまではお金のことはあまり心配することもなく育ってきた。でもお金のことを見てくれていた人が次々にいなくなった。
 その時に私は「食っていける!」と思った。
 建設業は絶対に食っていける。
 母子家庭の女性が働いている産業はいろいろとあると思う。水商売の人はこの業界のことを指して「太陽とともに仕事ができて、そして、今よりもたくさんお金が稼げる。やればやるほど収入が増えていく。知識、経験を積んでそれを生かせる」と。そういう例で職人育成塾に入ってくる女性もいる。
 建設業は絶対に女性の一生の仕事になるのです。
 そういう意味で「食っていける」。

 自分は現場が好きで、今日はどんな現場かなあとワクワクする。
 今日はどこまでやればいいのかなあ、自分はどれだけ役に立てるかなあと。
 最初は恐いということはあるけれど、そこに入っていって、やりがいを見つけると、自分も一緒になって働きたいと思うので、ほかの女性もきっと働けると思う。
 だから、やりたいと思っている方はたくさんいらっしゃると思う。
 だけど、女性を受け入れる側の女性に対するイメージがあまりよくない部分もあるのではないでしょうか。
 自分が今やっていることをロールモデルとして、どこがいいのか、どこが悪いのかと、参考にしていただければいい。
 働きやすい職場づくりは大事だなあとすごく思いました。

 将来を見据え、温かい眼差しで長い目で見てほしいということです。
 興味を持ってこの業界に挑戦、入職した女性が定着するためにもお願いしたいです。
 女性の場合は結婚、出産、育児、介護という感じで、正直男性よりも、仕事だけに全力投球することが難しい時期があります。だから甘えたいということではなく、そういう時期にも何かできることがあるか、業務内容や時間など配慮をいただければ嬉しいです。そうすれば、その時期を乗り切って、仕事を辞めずに、また、逆にパワーアップしてその後も仕事を続けることが出来るのではないでしょうか。

 会社経営の基本は父性原理で厳格に経営することも大事だけれど、母性がないと経営は続かない。
 いまは逆に男性のほうがおばちゃん化し、女性のおっさん化があるのではないでしょうか。
 余談ですが、ジャニーズを育てたのは私たちの世代でした。どんなに歌が下手でも、踊りがダメでもそれでも私たちは応援し、コンサートに行った。
 AKB48グループを育ててきたのは全部男性の皆さんじゃないですか。いろんなものを大人買いしてね。
 そのように、いまでは男性も女性も中性化している。気配りや人間性 ―― 日本人の持つやさしさが今は前に出ている時代ではないでしょうか。

生理的な要求に普通に安全に対応できる現場であるために

~「現場のトイレ」ってなんとかならないの!?~

 浜松の10人からの声でも多くありましたが、現場含めトイレが衛生的でない。特に妊娠している時はしゃがみづらく和式はきつい。高齢者も男性も和式トイレは不便だと思います。そういう意味で、トイレを綺麗に、洋式にしたら男性も嬉しいのではないでしょうか。環境を整えさえすれば即解決ということでもありませんが、トイレを整備してほしいのがまず一点。

 仮設トイレの男女別は進んでいますか。
  進んでいない。国の公共工事では男女別のトイレを設置する予算はちゃんとつけているのですが…。
 そして、男女別のトイレを整備したとしても、女性の出入りの動線が男性の視野に入らないようにする工夫も必要です。
 また、「そっちのほうがきれいで臭くないから」とわざわざ女性用のトイレを利用する男性の職人がいる。それを見せられたら女性はげんなりする。
 そういう職人にはイエローカード、レッドカードを出す。そのカードが何枚か集まれば現場出入禁止。
 これくらいのことをする気構えで、親方、会社、企業側が現場のモラルを徹底的に教育することが大切です。
 また、洋式の仮設トイレをスタンダードにしてほしい。

 当社屋でのトイレの洋式化は実施済みで、女性用更衣室も簡易的ですが作成済みです。それが女性の採用に結びついたと思う。
 女性だから…と見方をするのではなくて、「男も女も、みんなが働きやすい職場にすればいいじゃん」と考える会社さんが増えてくればいいと感じています。

 仮設トイレの件で、ピンクの仮設トイレは15年間で一度だけ現場で見たことがあります。
 構造見学会がありまして、そのための女性のお客様のために設置されたものだった。
 ピンクの仮設トイレに一度だけ入ったけれど、パーキングエリアにあるような感じで、鏡とか着替え台がついていて、除菌クリーナーとかもある。もちろん水洗のトイレでした。
 月曜日の朝に現場に行ったらもうそれはなかった。その現場ではふだんは和式の仮設トイレです。
 毎日ピンクのトイレが現場におかれて、区切られた空間で設置場所の配慮もされて、入りやすい動線が確保されていれば、若い娘たちも現場に入りやすいようになるのになあと思いました。

 男も女も同じ人間で、体力はちょっと違うかもしれない。でも人間が体力の限界で働き続けるという働き方というのはあまりない。
 パワーアシストスーツのアンダーウエアを大学と連携して開発中です。女性は出産するために股の力は強いけれど、腕の筋肉の付きかたが男性とは違うので、重たいものとかの作業は苦手です。そこを補強するものを開発中です。
 現場のトイレには生理用のナプキンは気になって置けない。そのために、作業着のポケットの中にナプキンを何個もしまっている。そうすると、ポケットが膨らんでとても恥ずかしい。さらには使用済みのものも一緒に入れなければいけない。
 また、女性が男性用の作業着を着た場合、ヒップがピチピチになってしまう。
 そういうことで、ポケットが膨らんでも目立たないような、女性の身体ラインを考慮した作業着が必要です。

女性のライフサイクル

~それって女性の問題なの?家庭の問題でしょう!~

 子どもが小さなときはなかなか現場には行けない。そういう時は事務、あるいは片づけ仕事をする。
 だんだん動けるようになったときに、女性ならではのライフサイクルを理解していただいて、いつでも現場復帰OKだよという雰囲気を出してもらえれば、女性はキャリアデザインが持ち、いつからやれると頑張ることができる。
 女性同士で話す場がなかなかない。女性同士が話し合う場が必要。そういう機会を作っていただければ嬉しい。
 また、ジョブコーチのように時々様子を見に来て、助言したりアドバイスしたりしてくれる仕組みが欲しい。経営者と女性従業員さんだけでは解決できないことを解決してもらう仕組みがあればいい。

 いまは、女性を採用したいという企業がほとんどではないでしょうか。
 私が経営者になった時「淳子さん、女ばかり雇って会社つぶす気ね?」とみんな言っていました。
 でもこの10年で変わった。いまやほとんどの会社は「できることならば、女性を採用したい」というような時代になった。ガラッとひっくり返っている。
 「でもね、女は結婚するまで。結婚したら女はめんどくさい。いろいろ言って来るやろ」という人が半分くらいいる。「おんなは問題が多いんよ」と。
 「それって女性の問題なの?家庭の問題でしょう!」
 家族の問題はイコール女性の問題のように思っている。でも、その問題は一つは社会の問題であり、会社の問題です。
 私の会社のHPをみていただくといろんなことを書いています。
“わが社の社員の子どもはゼムケンの子どもととらえろ”
“会社にいつも子どもが帰ってこられるように”
 また、うちは子育て中の親ばかりなので、
“全員PTAの役員をすること”
“町内会の役は引き受けること”
というのが社長方針です。

 それで実際は何をしているかっていうと、名前を売っていたのです。
 当初は、地域の方々に会社を認知してもらうことが本当に難しくて、街づくりというのはそういう面もありました。
 会社のあるところにはいろんな問題がある。そういう問題を受け入れることができるようになりたいなと思っておりました。
 女性をこの業界に定着させていくためにどうすれは良いのでしょうか。
 子どもにはいろんなことが起こりますよね。その時に社員に「またね!?」と思ってしまう、あるいは言ってしまう。
 でも、自分の子どものこと、自分の家のことだったら「どうしたらいいのだ!」と真剣に考える。
 それと同じように「会社の社員の子どもは会社の子ども」だというスタンスで、「この地域の大切な未来を創り出している子どもだ」と考えたい。
 女性にも男性にも、若い社員さんの男性にも「奥さんが忙しいやないの?あんたがいま行けるんやったら、早よう行っといで!奥さんに「行かんでいい」と言ってやらんね」というくらいの天と地がひっくり返るような対応が必要です。
 子育てを乗り越えたら女の人はまた実力をつけてくる。
 お母さんは強い。
 さっき体力の話がありましたが、男の人が37.5℃の熱が出たら、「熱が出た!」という。
 お母さんは37.5℃の熱なんかなんでもない。
 たとえ子供が37.5℃の熱が出たとしても、「あんたは熱いだけや!これ以上は熱は出ん!」とまじないをかけるし、自分も熱が出ているとか出てないとか気にできないくらいに一生懸命です。男の人はその辺は弱い。

インターンシップを活かせている?

 「そういう課題もあるよね、生理的な要求には普通に安全に対応できる場でありたいよね」と。そういうことをもっと声に出して、それで業界が変わっていくといい。  「こういうことをどんどん改善していくことがこの業界の中で常識だ」ということになれば、「今はこうだけど、来年、再来年はもっとこうなっていくよ」ということで、男女関係なく働きやすい業界になる。そういうことをインターンシップ等でどんどん発信していただきたい。

 ところで、インターンシップを受け入れている会社はどれくらいいらっしゃいますか?
 少数です。
 その中で、女子大生、女子高生を受けているという会社はどれくらいいますか?
 これまた、少ない。これが問題です。
 わが社は福岡県北九州市にあるのですが、鹿児島大学、佐賀大学、山口大学とかなり遠方からでもインターンシップの女子大生が来てくれます。
 女性が現場に出るという受入態勢ができていない会社がほとんどなのが現状です。
 女子大生が問い合わせても「うちは困る」ということで断られるのがほとんどです。
 私のけんちくけんせつ女学校の取り組みでは、インターンとして現場でトレーニングしてもらう。e-ラーニングを活用しつつ、その女性がご当地の建設業現場でトレーニングできる仕組みを作っています。これが一番。
 事務をやるにしても何やるにしても、現場の雰囲気と現場の言葉がわからないと仕事にはならない。
 インターンシップでは自社が取り組めることをやっていくことで採用に結び付くと思います。

結びに代えて

 私も去年一昨年ずっと活動してきて。やっぱりネットワークだと思う。
 これからの未来に向けて、私たちはもっと発信していっていいんだと。
 今年度から国土交通省の「女性活躍推進ネットワーク」というのが立ち上がりました。ぜひこの静岡県の電気工事組合がネットワークに入っていただいて、またそこで全国に皆さんに発信していただきたい。
 それがご当地静岡県の若い人たちの目指す夢、希望になっていく。
 今日は第1回ということですので、2回、3回と続けていただいて、会場にまた若い方もたくさん来られるような会にしていただきますように、この活動がますます発展しますよう祈りまして、このパネルディカッションを閉めさせていただきます。
 ありがとうございました。